『Twitter』の壁


これからの社会を生き抜くキーワードは「関わり」だろう。
孤独にならず、社会や血縁、知人とどう関わっていくかで人生の充実度が変わる気がする。それにはおそらく、コミュニケーションツールとしてのSNSの利用が鍵となるが、
心配なのはパソコン未経験者である父。携帯電話でさえも取り扱いに苛立って、ゴミ箱に捨ててしまったこともある。
そんな父にはブログやインスタなんてきっと無理。でも、『Twitter』ならどうか。なにせ、つぶやくだけでいいんだから、これはいけるかもしれない。
宇宙飛行士だって、多忙なスケジュールの中、宇宙からライブでつぶやいている。
これに参加できたら、かなりグローバル! と、まずはメールの操作から仕込んでみる。
いつもテレビに向かって、ひとりでつぶやいているから、『Twitter』向きにちがいない。
数日後。これまで「必要ない」と、携帯やパソコンに背を向けていた父であったが、負けず嫌いな性格が功を奏して、なんとかキーボードを打てるようになった。
しかしある日、いくら待っても父からのテストメールの返事がこない。
しびれを切らして電話すると、「今日は風邪をひいているからメールは休み」とのひと言。『Twitter』への道のりは遠く、険しい。

文・関千里 絵・田上千晶

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