毎年、何かとイベントの多いこの時期。数年ぶりに懐かしい人に再会することも少なくない。同時に封印していたはずの記憶もムラムラと蘇る。母校の記念式典で学生時代の面々に会った夜。私は必ず同じ夢を見るのだ。それは、単位が足りなくて卒業できないと焦る夢。夢の中の私はドキドキしながら単位表を何度も数え直している。
また、部活の先輩主催のパーティに参加した夜は、試合に遅刻し、あらゆる言い訳を考える夢。ああ、なんと小心で愚かだったこれまでの自分。この話を会社勤め時代の友人に打ち明けた。すると、その友人が「私も見るのよ。あなたに会うと必ず。新年会で酔いつぶれたあなたを介抱する夢」。
文・関千里 絵・田上千晶