幸せの根拠

震災から７年。自然環境やライフラインに心配のない"いつもの生活"がどんなに幸せなことなのかを思い知らされた。いつでもきれいな水を飲め、スイッチひとつで暖がとれ、離れた家族と話ができる。そんな日常のしくみに疑問を持たずに生活できることは、幸せなことだが、それは自然にそうなっているわけではない。問題が起きたら誰かがなんとかしてくれると思い込んでしまっていたが、 "いつもの生活"を成り立たせているすべてのことには根拠がちゃんとあって、他の人や地域が支えていてくれたり、負担してくれていたりする。自分の生活の幸せの根拠をちゃんと知らなくては。そして、どんな根拠にある生活が自分にとっての"幸せ"なのか。世の中の情報だけではなく、自分の指針を持って、探求していきたい。その先にやるべきことが見えてくる気がするから。

文・関千里　絵・田上千晶