収納はセンス

「収納の技」は、友人宅で実例を見るのがもっとも説得力がある。
あるおしゃれな友人の自宅。広くはないけれど、とても気持ちのいい空間であった。モノがスッキリ片づけられた部屋。隅にはクールな網ラックに規則正しく収まる外国産のミネラルウォーター。デザインオブジェのよう。こうすればよかったのか! これまで、まとめ買いの飲料の収納にいつも悩まされていた。段ボール箱がそのまま置かれているよりはと、ボトルを廊下の隅に並べていた私。訪問客からは「お宅の廊下、ボーリングのレーン?」と、かなり不評。  
実例を見て感心した「収納の技」をもうひとつ。多くの友人が作っていた「フォトブック」。思い出を整理するだけでなく、人に見せやすくセンスも感じる。ちなみに、うちはというと、十数年も大きな箱にプリントした写真がそのまま詰められているだけ。プリントにも至らなかったSDカードも箱にどっさり。早速「フォトブック」にしようと中身を広げた。が、若い頃の親と今の自分がかなり似ている2枚の写真を発見! では、自分の小さい時とわが子はどうだろうか……。探すこと10分。おお! この2枚もなかなか面白い。未整理の箱には小さな笑いが詰まっていた。
そうやって整理整頓に当てられた制限時間は大幅にオーバーし、何も進展がないまま、写真たちをまた箱の中に入れフタを閉じた。「収納」ってアイデアだけでなく、時間の使い方のセンスも問われていると思う。

 文・関千里 絵・田上千晶








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