涼を呼ぶ言葉



「心静自然凉」という言葉がある。直訳すると、心を静めればおのずから涼しくなるという意味。「暑い、暑い」というから余計に暑くなるのであり、涼しいと思えば涼しくなるという禅の境地を思わせる言葉。「青山緑水風自涼」は、山は青く、水は緑のように清々しい。その上を流れている風は自然と涼しいものとなる。という意味で、初夏の山の自然の風景を表す禅語から、茶道では「自然のようにそのままであれ」という意味を込める。
でも、漢字を見ただけで暑くなってしまう……という方には、この涼語はどうだろう。
「チリン、チリン」どうですか? ちょっと涼しくなったでしょう。また、「夕涼み、行きましょうか」この言葉で、なぜか冷たいビールを連想する人も多いとか。
ちなみに私の涼語は、家族の「この領収書なに?」と、警備員の「ちょっといいですか?」と、後ろを歩く人からの「チャック開いてますよ」。これで「ひや~」と、します。

 文・関千里 絵・田上千晶

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