付箋満足

「とっておきのお取り寄せガイド」「自分にご褒美お取り寄せ」「美味お取り寄せ百科」などなど。何冊持っていても、やっぱり手がのびてしまうお取り寄せガイド。しかし、以前より片端から取り寄せてみる…ということはなくなった。「お取り寄せ」ガイドをお取り寄せしているところで満足なのだ。この秀品リストを持っているだけで、すでにお取り寄せしてしまっているような気持ち。同じことがレストランリストや旅ガイドにもあてはまるかも。部屋の隅に重ねられた雑誌にはどれもパラパラと付箋がいくつもつけられている。そこで、ある日思い切って本棚にしまいこんだ雑誌やガイドを取り出し並べてみたら、みんなすでに古い情報であった。以前はもっと即行動していたのに…。自由な時間がなくなったのか、即座に動く気力&体力がなくなったのか、「付箋したまんま」何にもなっていない情報たち。でもそれでなんとなく満足してる自分。いや、それじゃあいけない。やりたいことは今、やらなくちゃ。と、いうことで新たな付箋を取り出し、優先実行順に番号を書き入れ、付箋に付箋を重ねた。はたしてこの付箋のその後は……。

 文・関千里 絵・田上千晶




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