お友達の数


ツイッターの「フォロワー」2183人、フェイスブックの「友達」897人。私の知り合いにこんな人気者がいる。いやいや、友達は数じゃなくて質だろう。それに、1000人の知り合いの前で日常をつぶやき、写真を公開する。これは文も写真もちょっとした責任を感じてしまうし、ちょっとつぶやいたら、きっとたくさんコメントが返って来てその返事だってきっと大変だ……ブツブツ。と、言いながらも自分のコメントに友人が返事をしてくれたりすると、かなりうれしくて、何度も携帯やPCを覗いている私。正直、やっぱり友達が多いのはうらやましいのだ。しかし、何かいつも特別な驚きや発見でないと、SNSに投稿できないよな、と思ってしまう。でも、わざわざ人に知らせる価値のあるほど素敵な海外に旅立てもしないし、美食レストランだって滅多に行かない。かわいいしぐさを連発する犬や猫ちゃんも飼ってない。
と、ある朝、見かけた友人の投稿。
『おはようTOKYO!2時間前の東京(7時AM)は綺麗だけどうっすら靄って暑さの予感しかさせない。皆さま今日も生き抜きましょうぞ』とのひと言と、見慣れた東京の空の画像。なんてことのない朝の挨拶。それがなぜかものすごく私を元気にさせた。今日もまたいつもの日常をちょっとだけがんばって生きよう。そして、同じくそう思っている友が同じ空の下にいる。「SNSなかなかいいじゃん」。私はPCに向かって思わずそうつぶやいた。

 文・関千里 絵・田上千晶

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