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”わざわざ”の快感
東海岸ナンタケット島発の「ナンタケットバスケット」。細かい籐で編みこまれた伝統工芸品で、その完成度は一生ものにふさわしい。ここ数年、教室に通い、バスケット作りに奮闘中。時間も気力も消耗する作業だが、何がいいかというと、この“わざわざやる”という行為。“わざわざ”は、手作りだけではない。たとえば、通販できるのに、原産地を訪れてわざわざ買ったモノなどは愛着の深さがちがう。”わざわざ”は人の心に
”想い出”を作っているのかもしれない。そう思うと感慨深い。とうことで、これからは何でも安直に購入しないで、それを手に入れるためにわざわざ頑張ってみようと心を入れ替えた矢先、手芸の達人である友人が手作りのバッグを贈ってくれた。とてもうれしく喜んで愛用。人が”わざわざ”作ってくれたモノもなかなかよい。だって、苦労なく素敵な完成品が手に入るのだから。それにやっぱりプロの手技が光る既製品を買うのもいいことなんだよな~。と、なぜか自分の決意と反対方向に……。
どんな方法であれ、“いいモノ”を手に入れるのは快感なのだ。
文・関千里 絵・田上千晶