見えないところを大掃除

今年こそ、徹底的に大掃除する! そう決意し、まずパソコンの中のデータの整理に取り掛かった。おそらく十数年整理されることのなかったデータ類。フォルダの中のさらにフォルダに保存されたものもあって、そのネーミングも意味不明。いい加減な管理体制の過去の自分に苛立つ。ちなみにきっと10年後同じことをして今の自分に腹を立てることになるだろうが…。この作業は非常に地味で3日3晩かかってもちっとも片付く気配がない。そこで気分転換に実家に預けたままの不用品をフリーマーケットで処分することに。年末の寒空の下「とにかく持って行って欲しい」との気持ちだけでフリマに臨んだ。「これはいくら?」「100円です」「え、これ未使用のブランド品ですよねっ?ほんとにいいんですか?」「10円でもいいです」そんなやりとりに怪しまれて、出品物がなかなか掃けて行かない。やっとだいたいが売れた頃、体はすっかり冷え切っていて、次の日に高熱を出して寝込んでしまったが、当たり前だ。

と、いうことで今年もあとわずか。例年になく努力し、消耗したにもかかわらず、自分の家のチリひとつ片付いてないという有様。年々、大掃除が大仕事になっているのは歳をとるごとにモノも思い出も増えていくからだろうか。「新年、掃除からはじめるのもいいよね」との私の言葉に、家族は「去年も同じこと言ってたよ」と。

 文・関千里 絵・田上千晶













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