続・余白のすすめ

忙しい日々は解消しようと‛もがく‘と、さらに増長してしまう。仕事、家事、仕事、育児…このルーティンを解消すべく数年ぶりの家族海外旅行を思いついたのはいいものの、久々の航空券の手配でミスを連発し、航空会社と十数回のやり取り。期限切れのパスポート家族分を申請に出向くも、写真のサイズを間違えて出直し。出発直前の数日間は仕事を片付けるのに深夜までの作業が続き睡眠不足。「余白の時間」を楽しむためになぜ、こんなに苦しい思いをしなくてはならないのか。大いなる矛盾を感じながらも何とか南の島に到着。次なる手配はレンタカーにレストランの予約、アクティビティにショッピングスポットを調べて…と、まだまだやること目白押し。1日目の夜は倒れるようにベッドに身をうずめた。 
 次の日はピクニックバスケットを調達し、島を一周ドライブ予定。無理やり家族を起こして砂浜が美しいビーチへ。そこで1時間過ごしたら、次の観光スポットに…と、思ったのに子どもたちはまったく海から上がってこない。波に浮かんで、ざぶんざぶんと打ち寄せされたり、引き戻されたりするのに「キャッ、キャッ」と喜んでいる。仕方なく、午前中の移動はあきらめてビーチでランチ後、さあ、今度こそ次の場所へ。と、思ったのに、子どもたちはその後もまた海に浮かんで、波にざぶんざぶん。私は仕方なくビーチに座って何も考えずぼんやりとしていた。青く澄み切った空にふんわりとかわいい雲が浮かんでいる。時間によってそよ風の表情が変わる。犬を連れた地元の人が眺めのいいスポットを教えてくれた。そうしているうちになんと夕暮れになってしまった。


思いがけない「余白の時間」。半分苦笑いしながらも、なんだか心地よかった。毎日がんばってよかったね、誰に言うでもなくつぶやいてみた。

文・関千里 絵・田上千晶




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