数年ぶりに家族写真を撮ることになった。私の両親も入れての３世代集合の大イベントだ。が、高齢の両親からチビちゃんまで、全員がベストなコンディションで当日の撮影に臨むことはできるのか……。悪い予感は的中。撮影前日にチビちゃんは滑り台でバランスを崩し転んで、顔半分がザザッーと赤いかさぶただらけに。さらに当日朝、私の差し歯が取れてしまい前歯が欠けてしまった。鏡の前で歯を見せずに笑う練習をするも無駄な努力。集合時間に慌てて写真館に向かうと、なんと目の下に青いアザの母が現れた。3日前に段差でつまずいて顔から転倒したとか。それでもなんとか特殊メイクでカバーしていざ撮影。
撮影直後、写真データをチェックしたら、まるで映画『アダムス・ファミリー』のオバケ家族の記念写真のようだった。引きつった顔の男性陣も妖怪っぽく見える。どうぞ、写真館が修正してくれるようにと願いながら帰宅。
しかし、慌てて出陣し大荒れのままのわが家はまるで、オバケ屋敷のようだった。
文・関千里 絵・田上千晶
