ゲリラ豪雨に近所の絆
情報網が進化してもやはり怖いゲリラ豪雨。小さな子ども連れや、荷物が多めの外出先で出くわすと大変なことになってしまう。
以前のこと。ベビーカーを押しての帰り道。先に一歩も前進できないほどのゲリラ豪雨に。しかたなく、隣家の庭からのびた木の下に避難。それでも、雨の勢いがすごくてみんなずぶ濡れだ。すると、「はやくこっちにっ」と、おばあちゃんの声。振り向くと斜め向かいの家の方の玄関から、おばあちゃんが手招きしてくれている。すぐに家に上げていただき、子どもはタオルで拭いてもらい無事に着替えができた。さらに、雨が止むまでお茶をご馳走になり、町内の昔ばなしを教えてもらい、とても楽しい雨宿りの時間を過ごした。
災い転じて福となす。これまでまったく交流のなかったご近所さんの知り合いができた。後日お礼にお土産を求めて和菓子店へ。が、ふと取りやめて電機屋へ。あのおばあちゃん、「一人暮らしで高いところに手がとどかないから取り換えられない」って言ってたっけ。私たちは電球を持ってまたあの家に向かった。
文・関千里 絵・田上千晶