自分の常識

　

　はじめての料理教室。人並み程度に家庭料理はできていると思っていたが、目前で先生が実技するのを見て、「あれ、なんかちがう」。ねぎのみじん切りの仕方、サラダのドレッシングの配合、ミキサーの使い方……。自分が常識と思っていたやり方は実はマイノリティであったことに気付く。もちろん、料理は個人の嗜好なので正解・不正解などはない。でも、自分の思い込みや無意識の習慣って、実はけっこうあるのかもしれない。掃除の仕方、アイロンのかけ方、服の組み合わせ方……。これまでの自分の行動が気になってしかたがない。教室の帰り道、熱心な生徒たちは実践のための食材を求めて食品店へ。でも、私はなぜかコスメサロンへ。

今度はメーク法を見直したくなった。自分の常識がどうか間違っていませんように。

　文・関千里　絵・田上千晶