30年後の再会



 母校のイベントに集まった同窓生。卒業以来の面々もあり、「げんきだった?」「どうしていたの?」と、はしゃいでいるうちに、卒業からいままでの人生を一瞬忘れた。思えば10代のスタートラインはみな一緒。そこから、それぞれ少しずつ枝分かれして、各々の進路に進んでいった。自分が選ばなかった、もしくは選べなかった道に進んだ同級生たち。果たして自分の進路はこれでよかったのだろうか…。もっと違う人生もあったのかもしれない。そんな思いが込み上げてきたとき、「ちっとも変っていないね」と、だれかの一言。そうそう、実はみんな変わっていない。10代のスタートラインに立っていた自分はいまの自分の中にちゃんといる。そして、同じ世代の仲間もあちこちでそれぞれの人生を送っている。そう思ったら、まだこれから何かできるかもしれない、そんな気がしたのだ。

 文・関千里 絵・田上千晶 



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