円満の秘訣

近年増加しているという二世帯住宅。私の周りでも子どもができたとたん、実家の両親と同居をはじめたという友人が多い。共働きで、家事や子育てに協力してもらう一方、高齢の両親はいざという時に安心、と、メリットは多い。でも、人間関係で難しい部分があるのも事実……ということで、二世帯円満に暮らすためのリアルなルールを聞いてみた。ある家では「キッチンは共有だけど女ふたりが同時に立たない」。気配を察知してさっと入れ替わるタイミングが難しそう……。またある家では「世帯間が孫の部屋でつながっている」。「世帯間のドアは息子が「おはよう」と言って開け、孫が『おやすみ』と言って閉める」。なるほど、孫は二世帯にとっても鎹。大人同士の絆をやさしく結んでくれるのだろう。さらに、孫がいない場合は「犬を飼う」という意見も。人間同士のコミュニケーションを動物が繋ぐ、かわいいワンちゃんに大役が課せられ、ちょっとお気の毒。そして「１日１回、『ありがとう』と言う」。感謝の気持ちをなくさないこと。これがきっと一番の秘訣。でも、それってどんな家族でもそうだし、家族だけでなく、すべての人間関係を円満にしてくれるに違いない。

文・関千里　絵・田上千晶