しばらくお休み

 夢中で絵を描く子ども。その傍らで芯の減った色鉛筆を1本1本削る。穏やかでほんのり喜ばしい気持ち。こういう感覚を何と呼べばいいのだろう。きっと「小さな幸せ」というのかな。年齢を重ね、「小さな幸せ」を日々たくさん見つけられるようになった。いや、やっと気づけるようになったのかもしれない。
弱り果てた徹夜仕事明け。でも鏡に向かうとそこに懐かしい祖父母の面影を見、人間関係に疲れた時は動物の生き様に勇気づけられ、怪我人ばかりの家族写真はまるで妖怪ファミリーの記念撮影に。でも、一生笑える思い出になった。
時に焦り、倒れ、苦しむことも多々ある人生だけど、そんな苦境にあってもくすっと笑える出来事や、懐かしさに癒える場面があったり、時に自然の力に励まされ、心動かされる。その時にほのかに感じる幸せな気持ち。『ちーずのつぶやき』は、数分したら忘れてしまいそうなその気持ちをこぼさないようにそっと手でくるんでカタチにしたもの。小さな幸せのドロップなのだ。
これまでにつくったドロップの味は100種類以上。舐めたら数分後にはなくなっちゃうけど、何度でも舐められるのがいいところ。でも、そろそろ調理器具をメンテナンスしなくちゃいけない時期。しばらくお休みしますが、その間に新しい味を考案したいと思います。

文・関千里 絵・田上千晶



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